2011年09月28日

野田内閣を操る“悪の枢軸”…“影の支配者”の実像を追った

野田内閣を操る“悪の枢軸”…“影の支配者”の実像を追った
2011.09.27
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20110927/plt1109271604009-n1.htm. .

野田内閣を操る“悪の枢軸”…“影の支配者”の実像を追った
「野田増税内閣」の独走は、財務省の勝栄二郎事務次官がシナリオを書いているのか【拡大】

.野田内閣を操る“悪の枢軸”…“影の支配者”の実像を追った

 ★鈴木哲夫の永田町核心リポート

 狂気の沙汰ともいわれる「不況下の大増税」に突き進む野田内閣を裏で操る財務省の超大物、勝栄二郎事務次官(61)の動向に注目が集まっている。与野党にくまなく張り巡らした人脈を駆使し、財務省の悲願である財政再建(=増税)への道のりを確実に進めている人物だ。野田佳彦首相(54)ら閣僚を手玉に取り、いまや「勝内閣」ともいわれる政権の実態に、政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が迫った

  ◇  ◆  ◇

 「勝さんの政治家人脈は広い。特定の政党や政治家一本ではない。それは、尊敬していた財務省の先輩を反面教師にしているからだ」

 財務省OBは、こう解説する

 勝財務事務次官は1975年、東大法学部を卒業して旧大蔵省入省。主計畑を歩み、93年に発足した細川護煕政権では官房長官秘書官を務めた。官房長や主計局長を経て昨年7月に次官に昇格。細川氏の愛弟子である野田首相を手のひらで操り、「増税路線」の仕掛け人とされる。勝海舟の子孫という噂もあるが、「姻戚関係はないはず」(同省関係者)とも。

 霞が関は、OBから現役官僚まで縦のラインが強固だ。勝氏は、旧大蔵事務次官の斎藤次郎氏、旧大蔵主計局長の涌井洋治氏の流れをくむ。

 斎藤氏は「10年に一度の大物次官」と評され、細川連立政権の「国民福祉税導入」を主導した。斎藤氏の5年後輩に当たる涌井氏は「将来の次官候補」とも言われ、有望視されていた。

 ともに「旧大蔵省の権化」といえる2人だが、斎藤氏はいわゆる「ノーパンしゃぶしゃぶ接待」の顧客名簿に名前があったとして1995年に退官。涌井氏は、泉井石油商事件で、美術品の贈答を受けていたことが発覚して失脚した。前出OBが続ける。

 「勝氏は、斎藤・涌井ラインで、直接的には涌井スクール出身だ。しかし、先輩たちは相次いで失脚した。2人は実力政治家に食い込み、大蔵省の権威を振りかざしていたからだ。勝氏は、その立ち居振る舞いがスキャンダルにつながったのを見てきた。だから、反面教師にした。できるだけ目立たず、水面下で根回しすることに徹し、あらゆる政治家に人脈を張った。それがいま、結実しているのだ」

 野田政権は、増税一直線の「財務省傀儡政権」といわれ、「勝栄二郎内閣」とも揶揄される。財務相時代、野田首相は自ら「財務省に染まる」と明言し、勝氏のアドバイスを仰いできたからだ。野田内閣の組閣でも勝氏は重要な指南役だった。

 にもかかわらず、勝氏が表に出てこないのは、前述した「水面下でのしたたかな手法」(同OB)ゆえといえる。

 別の財務省OBは、勝氏の政治家との付き合い方をこう証言する

 「勝氏の人脈は与野党に広がる。野田首相を財務相時代から支えたのをはじめ、仙谷(由人政調会長代行)氏にも政権交代直後からアプローチした。あの小沢(一郎元代表)氏にも、財務省官房長を張り付かせている。自民党の税調幹部らとも深く付き合っている」

 同省OBは「勝氏にとって、民主党政権はコントロールしやすいだろう」という。

 「自民党政権時代は、党税調を山中貞則氏ら大物が仕切っており、大変だった。官僚が根回しにいくと『分かった』と言うが、政局が絡むと平気で違うことを言い出す。ところが、民主党にはそんな大物がいない。現役官僚たちも『(民主党は)何も知らない。やりやすい』と言っている」

 完全に、財務省にナメられているのだ。

 現在、第3次補正予算に向けて、復興財源を増税でまかなうことが既成事実化しつつある。これも、財務省のシナリオに野田首相や民主党執行部が同調して進められているものだ。

 民主党の税調会長は旧大蔵省出身の藤井裕久氏、国家戦略担当相も財務省出身の古川元久氏だ。「税と社会保障をやりたい」と政調会長代行に就任した仙谷氏も財務省に近い。とにかく、見渡せば財務省一色。財務官僚にしてみればこんな心強い仲間はいない。勝氏の指示の下、主計局が中心になって連携している構図である。

 「第3次補正の復興財源で増税、その後の『税と社会保障の一体改革』で消費税増税というのが大きな流れ。財務省は、政府税調がどこまで決めて、党税調がこれをどこまで触り、野田首相がどう発言するか-などを綿密に計算している」

 財務省出身の自民党元衆院議員はこう語る

 「政府税調が復興財源について複数のプランを出したが、野田首相は『消費税は考えない』と誇らしげに発言した。国民からすると『消費税アップはしないんだな』と思う。だが裏では、所得税や法人税などでまかなうことがスーッと通った。形を変えた増税ですよ

 党税調もシナリオ通りに動いている

 「藤井氏の党税調はいろいろ議論し、実績作りを演出している。所得税の増税幅を縮小するため、たばこ税や相続税増税も持ち出した。国民は『所得税増税を縮減するために、党が頑張っている』と好意的に見てしまうが、これは間違い。増税に頼らずに復興財源を捻出すべきという話は、どこかにいってしまった。『財源=増税』が既定路線になっている。巧妙だ」(同元議員)

 党税調の事務方に身を置く民主党議員も、はっきりと言う

 「復興増税はいいチャンスだ。国民も増税に慣れたほうがいい。その後はいよいよ、社会保障での消費税アップだ

 私(=鈴木)は麻生太郎政権の末期、官邸スタッフの官僚から「消費税アップは、こういうときがチャンスなんだ」と聞いたことがある。

 「民主党は次々にバラマキ政策を打ち上げて、積極財政をうたっている。ならば自民党は『与党の責任』として消費税アップを公約にすればいい。総選挙は負けるかもしれないが、もし勝てば公約通り消費税を上げられる。負ければおとなしくして、次の機会を覗えばいい。消費税という国民の反発を買うテーマは、じっくり議論していては前に進まない。混乱や政局の隙を見て、あらゆる方法で一気に進めなければならない」 狡猾で油断ならない。「これが官僚の知恵なのか」と背筋が寒くなったのを覚えている。

 政権交代のあと、次々に首相が替わり、小沢排除などの党内対立を抱え、揚げ句に民主党はマニフェストも後退している。こんな混乱の中なら、財務官僚が入り込む隙などいくらでもあるのかもしれない。

 ■鈴木哲夫(すずき・てつお) 1958年生まれ。早大卒。テレビ西日本報道部、フジテレビ政治部などを経て、現在、日本BS放送報道局長。著書に「政党が操る選挙報道」(集英社新書)、「汚れ役」(講談社)など。



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Posted by かてきんさん at 16:53│Comments(0)政治
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