2018年03月17日

正恩氏が狙う「在韓米軍の撤退」と「韓国の崩壊」 

正恩氏が狙う「在韓米軍の撤退」と「韓国の崩壊」 


【日本の選択】
正恩氏が狙う「在韓米軍の撤退」と「韓国の崩壊」 南北、米朝首脳会談は目的のための手段でしかない

2018.3.16 
http://www.zakzak.co.jp/soc/news/180316/soc1803160008-n2.html


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 北朝鮮の最高指導者である金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が南北首脳会談、米朝首脳会談を行う希望を表明した。歓迎する向きもあるようだが、「これで北朝鮮問題が解決した」とするのは全くの間違いだ。今ほど冷静な判断が求められている瞬間はないだろう。

 憂慮すべきは、「親北左派」で知られる韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の今後の行動だ。文氏は、今回の首脳会談に前のめりになり、「不都合な真実」から目を背け、実体のない「友好」という観念に耽溺(たんでき=不健全な遊びにおぼれること)するであろうことは、火を見るより明らかだ。

 北朝鮮が、韓国、そして、米国をも欺き、「核・ミサイル開発」の時間を稼ごうとしているという可能性を直視することが重要なのだが、文氏にそれを期待することはできない。

 今回の北朝鮮から韓国特使団に向けられたメッセージの中で重要なのは、次の箇所だ。

 「北朝鮮に対する軍事的な脅威が解消されて、北朝鮮の体制の安全が保障されるならば、核を保有する理由はない」

 このメッセージの後半部分の「北朝鮮の体制の安全が保障されるならば」という部分に注目し、金一族による独裁体制が保障されれば、北朝鮮が核兵器を放棄するとみなすのは間違いだ。

 重要なのは、前半の「北朝鮮に対する軍事的な脅威が解消されて」の部分だ。ここでの「軍事的な脅威」とは、具体的には在韓米軍の存在を意味している。すなわち、この個所は「在韓米軍が撤退すれば」と読み替えて解釈すべきなのだ。従って、在韓米軍を撤退せよとの要求が通らなければ、北朝鮮には核の保有が必要であると宣言していることになる。


正恩氏の望みが「在韓米軍の撤退」であることは、亡命した太永浩(テ・ヨンホ)元駐英北朝鮮公使の米国下院における証言からも明らかだ。

 太氏は証言で、核開発を完了させた後、米国と交渉することで在韓米軍を撤退させようとする、正恩氏の戦略を明らかにしている。正恩氏はベトナム戦争を参考にし、韓国を(消滅した)南ベトナムに見立て、在韓米軍を撤退させ、韓国の体制崩壊を狙っているというのだ。

 南北首脳会談、米朝首脳会談も、基本的には「在韓米軍の撤退」と「韓国の崩壊」が目的であり、両首脳会談自体は目的のための手段でしかないと見做すべきであろう。

 北朝鮮の口先の言葉ではなく、実際の行動に注視することが肝要である。

 ■岩田温(いわた・あつし) 1983年、静岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、同大学院修士課程修了。拓殖大学客員研究員などを経て、現在大和大学政治経済学部政治行政学科専任講師。専攻は政治哲学。著書に『平和の敵 偽りの立憲主義』(並木書房)、『人種差別から読み解く大東亜戦争』(彩図社)、『「リベラル」という病』(同)など。


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Posted by かてきんさん at 08:01│Comments(0)北朝鮮国防
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