2017年01月25日

習近平がダボスで仕掛けた西側バラバラ作戦

鉛筆反トランプの黒幕は私だと言っているようですねおまわりさん


習近平がダボスで仕掛けた西側バラバラ作戦



習近平がダボスで仕掛けた西側バラバラ作戦


2017年01月24日 12時27分14秒 | 中国、北朝鮮、韓国、アメリカなど海外報道


http://www.newstandard.jp.net/news/asia/west-disjointed-strategy-xi-jin-ping-planted-in-davos/1568

By. 呉 亮錫 2017/01/20 10:57




相手が強ければ、まずバラバラにしてしまおうというのが、『孫子』でも教えられている古来の戦い方の知恵である。相手側の同盟関係をバラバラにして分裂させてしまえば、戦いやすくなる。これは国と国との関係だけではない。相手の国の内部にある対立を利用して、戦いを有利に進める方法もあり得る。

それがまさに、世界中から財界の要人が集まるダボス会議で、今年、中国の習近平国家主席が取った作戦である。

習氏は17日の演説で次のように話し、経済のグローバル化を進めていくことの重要性を強調した。


我々は、世界的な自由貿易と投資を発展させることにコミットし続け、開放によって貿易と投資の自由化と強化を推し進め、保護主義にはノーと言わなければならない。保護主義を進めることはまるで、暗い部屋に自分を閉じ込めるようなものである。風や雨が入らないようにできるかもしれないが、暗い部屋には光も空気も届かない。貿易戦争では、誰も勝者にならない。

演説中にその名は登場しないが、今このタイミングで「保護主義にノー」と言えば、誰のことを言っているのかは、もちろん明らかである。20日に米大統領に就任するドナルド・トランプ氏だ。

トランプ氏は、中国からの輸入に対して高い関税をかけると脅しており、貿易戦争が始まるのではないかという懸念が高まっている。そこで習氏は今回の演説で、トランプ氏とは真逆の立場を取り、今後も自由貿易を推し進めたいという意向を明確に示した。

今回の演説については、各紙も「トランプ氏をけん制した」などと分析している。しかし、グローバリズムを掲げた演説の背景には、「けん制」以上の狙いが垣間見える。それは、グローバリズムを信じる各国のエリート層を取り込んで、西側諸国を内部からバラバラにしてしまおうという狙いだ。

これまではアメリカの大統領が、グローバリズムの旗手として、自由貿易を世界に広めようとしてきた。しかし、自由貿易が国を弱くしているととらえるトランプ氏は、その立場からあっさりと降りてしまうという。そこで、従来のグローバリズムの価値を信じるエリート層と、トランプ氏を支持する人々との間には、思想の隔たりが生まれている。これまでの、「右左」とは違う、新しい対立軸だ。

習氏の今回の演説で重要だったのは、トランプ氏と反対の立場を取ったことではなく、トランプ氏を攻撃している人々と同じ主張を展開したことだ。中国国家主席の自分こそが、アメリカの大統領に代わる、新たなグローバリズムのリーダーだと世界に印象づけようとしたように見える。グローバリズムを信奉する従来のアメリカのエリートは、自分の国の大統領よりも、中国の国家主席の演説の方に、説得力を感じるかもしれない。そうして、中国に味方する声が高まり、アメリカ国内でのトランプ氏をめぐる分裂が強まれば、北京政府としては万々歳だろう。

一方で、現在の中国が「グローバリズム」を主張することは、大きな矛盾を含んでいる。国有企業が経済を握っている状況で、経済の自由化について世界に説教するのは、「どの口が言っているのか」と言いたくもなる。しかし、広い意味での「グローバリズム」が、「国境をなくしていこう」という運動なのだとすれば、確かに世界的な革命をうたった共産主義もグローバリズムの一種だったと言えるだろう。それに、現代における共産主義――それが純粋なものかは別として――の総本山は紛れもなく中国だから、その意味では、習氏がグローバリズムの旗手を名乗ることには、それなりの資格がある。

そして、それぞれの国の国情や国益を考えずに、自由貿易や画一化されたルールを押し付けるという意味では、現代のグローバリズムも十分に共産主義的だと言える。

だから、習氏がダボス会議での演説で本当に言いたかったことは、ひょっとすると、「万国のグローバリストよ、決起せよ!」ということだったのかもしれない。「国家として」という考え方や、国益という概念を時代遅れだととらえ、国境をなくしていくことそのものが正義だと考える人々にとっては、今回の「北京からの号令」は、まるでセイレーンの歌声のように魅惑的に聞こえるかもしれない。

もっとも、中国のリーダーシップによって世界が幸福になるのであれば、それはそれでいいのだが、国内で行われている言論弾圧の様子やアフリカなどでの中国企業の振る舞いなどを考えれば、その望みは限りなく低いだろう。歌声に魅せられて船が難破してしまう前に、私たちは「国家とは何か」を、もう一度、考え直すべき時にきている。

(著者のブログより転載)







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Posted by かてきんさん at 08:01│Comments(0)政治中国世界
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